Pixel 11の新モデムは弱点を克服?通信速度と電池持ちに改善も課題は残る

GoogleのPixelシリーズではこれまで、通信感度の弱さやモバイル通信時のバッテリー消費、発熱など、モデムに関連するとみられる問題が長年指摘されてきました。最新のPixel 11シリーズでは、その状況を改善するためか、従来のSamsung製ExynosモデムからMediaTek製モデムへと変更されています。

実際にPixel 11 ProとPixel 10 Proを比較したテストでは、新しいモデムがすべての面で上回ったわけではないものの、5Gのつながりやすさやダウンロード速度、モバイル通信時の消費電力などで改善が確認されています。

弱い電波でも5Gを維持、ただし電波強度は一概に優秀とはいえず

今回の比較テストでは、同じSIMカードを使用し、Wi-Fiをオフにした状態で両機種の通信性能を検証しています。テスト時のソフトウェアはいずれもAndroid 17の最新版に揃えられており、できるだけ同じ条件で比較されたとのことです。

まず、電波状況が弱い場所、一般的な場所、屋外の3カ所で信号強度を測定したところ、結果は単純なPixel 11 Proの勝利とはなりませんでした。

屋内の弱電波エリアではPixel 11 Proがマイナス99dBmで5Gを維持したのに対し、Pixel 10 Proはマイナス101dBmで4Gへ切り替わりました。一般的な電波状況の場所でもPixel 11 Proがわずかに良好な数値を記録しています。

一方、電波状況の良い屋外ではPixel 10 Proの方が強い信号を受信していました。

それでも、電波が弱い場所でPixel 11 Proが5G接続を維持できた点は、新しいMediaTek製モデムの改善を示す結果として注目されます。

ダウンロード速度は最大2割以上向上

通信速度のテストでは、Pixel 11 Proがダウンロード速度で一貫して優位な結果となりました。

屋外での平均ダウンロード速度は、Pixel 11 Proが671Mbps、Pixel 10 Proが約593Mbpsとなり、Pixel 11 Proは約13%高速でした。Ping値についても新モデルの方がわずかに低く、測定ごとのばらつきも少なかったとされています。

さらに差が大きくなったのが、電波が弱くなりやすい屋内です。Pixel 11 Proの平均ダウンロード速度は約493Mbpsで、Pixel 10 Proの約405Mbpsを約22%上回りました。

一方、アップロード速度では逆の結果となっています。屋外、屋内ともにPixel 10 Proの方がやや高速で、新しいモデムがすべての通信性能で優れているわけではないことも分かります。

日常的なWeb閲覧や動画視聴、アプリのダウンロードなどではダウンロード速度の影響が大きいため、多くのユーザーにとってはPixel 11 Proの改善を実感しやすい部分といえそうです。

モバイル通信時のバッテリー消費も改善

新しいモデムについてGoogleは、通信性能だけでなく電力効率も向上しているとしています。

そこで、両機種でモバイルデータ通信を使いながら同じYouTube動画を30分間再生するテストも実施されました。画面の明るさや動画の設定はできる限り同じ条件に揃え、1080p・60fps・HDRで再生しています。

その結果、Pixel 11 Proのバッテリー消費は3%にとどまったのに対し、Pixel 10 Proは5%減少しました。

30分間という短時間のテストであり、スマートフォン全体のバッテリー持続時間を判断するには十分とはいえません。また、消費電力はモデム以外の要素にも左右されます。それでも、同じ動画を同じ通信環境で再生した比較では、Pixel 11 Proの方が明らかに少ない電力で済んでいます。

Pixel最大の弱点は解消へ向かうのか

今回のテスト結果を見る限り、Pixel 11シリーズへのMediaTek製モデム採用は、少なくとも正しい方向への変更といえそうです。

Pixel 10 Proが4Gへ切り替わった弱い電波環境でも5Gを維持し、ダウンロード速度は屋内外ともに向上。さらにモバイル通信を使った動画再生ではバッテリー消費も抑えられていました。

その一方で、電波強度やアップロード速度ではPixel 10 Proが上回る場面もあり、新モデムがあらゆる項目で圧倒的に優れているわけではありません。

Pixelの通信性能に関する評価は、さまざまな地域や通信キャリアでの長期的な検証を待つ必要があります。ただ、電波のつかみやすさやモバイル通信時の電池持ちに不満を感じてきたPixelユーザーにとって、Pixel 11シリーズはこれまでの世代より改善を期待できるモデルとなりそうです。

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