
Xiaomiのスマートフォンに搭載されているスーパームーン撮影機能が、8月12日に発生した日食の撮影時に太陽を月と誤認し、実際には存在しない月面のクレーターなどを画像に追加してしまう現象が報告されています。AIによる画像補正が、天体イベントの撮影では思わぬ結果を招くことが明らかになりました。
月をきれいに撮るためのAIが太陽を月と誤認
Xiaomiのスーパームーンモードは、暗い空の中にある明るく円形の物体をAIで認識し、月を撮影する際に細かなディテールを強調する機能です。
通常のカメラ撮影では捉えにくい月面のクレーターなどをAIによって補正することで、より鮮明な月の写真に仕上げることを目的としています。機種によっては5倍から60倍程度の高倍率ズームと組み合わせて利用できます。
ところが、今回の日食ではこのAIによる認識が裏目に出ました。
日食によって一部が隠れたり、フィルター越しに見えたりした太陽を、スーパームーンモードが月だと判断。その結果、撮影した太陽に月面のクレーターのような模様を重ねてしまい、実際の天体とは異なる画像が生成されました。
つまり、カメラが撮影した光学的な情報をそのまま記録したのではなく、ソフトウェアが「これは月だ」と判断したうえで、月らしく見える画像に加工してしまったわけです。
天体イベントの撮影ではAI補正が裏目に出ることも
スマートフォンのカメラでは、AIによるシーン認識や画像処理が当たり前になっています。風景や料理、夜景などを自動的に判別し、色や明るさ、シャープネスなどを最適化することで、ユーザーが細かな設定をしなくてもきれいな写真を撮影できるのが大きなメリットです。
一方で、今回のように通常とは異なる被写体を撮影する場合、AIが想定外の判断をする可能性があります。
特に日食や月食、流星など、普段とは異なる条件で発生する天体現象を記録する場合には、見栄えを優先するAI処理が、実際に起きている現象を正確に残すという目的と相反することがあります。
今回の事例は、スマートフォンのカメラが単純な撮影機器ではなく、AIによって画像そのものを解釈し、加工する存在になっていることを改めて示したものと言えそうです。
正確な写真を残したいならProモードがおすすめ
日食などの天体イベントをできるだけ忠実に撮影したい場合は、スーパームーンモードを使用しないことが重要です。
Xiaomiのカメラアプリでは、スーパームーンモードを選択せず、Proモードなど手動撮影機能を利用することで、こうしたAIによる月面テクスチャの追加を避けられます。
今回の現象について、Xiaomiから専用の修正アップデートが提供されたことは現時点では確認されていません。そのため、天体撮影ではユーザー自身がAIによる補正機能を意識して使い分ける必要があります。
なお、スーパームーンモードの搭載状況や利用できる機能は、Xiaomiの機種や地域、HyperOSのバージョンによって異なる場合があります。
スマートフォンのAIカメラは、普段の撮影では非常に便利な機能ですが、記録の正確性が重要になる場面では必ずしも最適とは限りません。特に数年に一度しか見られないような天体現象を撮影するときは、AIに任せきりにせず、どの撮影モードを使っているのか確認しておいたほうがよさそうです。


