
Nothingが公開した最新コンセプト動画が話題を集めています。人気ストリーマーのアイデアを出発点に、三つのディスプレイを備えたトライフォールド型スマートフォンを本気で設計し、3Dモデルからコスト試算まで行ったという内容です。製品化を前提としない企画ではあるものの、その完成度と発想の大胆さが注目されています。
発端はストリーマーの一言 本気で形にしたNothing
今回のコンセプトは、IShowSpeed氏の要望をもとにしたものです。Nothingはこれを単なるネタで終わらせるのではなく、実際に成立し得る端末として検討し、設計や部品構成、開発費用まで算出しました。動画内でも、あくまでチャレンジ企画であり、発売予定はないと説明されています。
三画面トライフォールドという独自発想
最大の特徴は、折りたたみ式でありながら三つの独立したディスプレイを備える点です。チャット、配信映像、各種メトリクスを同時に表示できる設計で、ストリーミング用途に特化した構成となっています。一般的な折りたたみスマホとは異なり、作業効率を最優先した発想が強く感じられます。
着脱可能なモジュール設計にも挑戦
本コンセプトでは、三つ目のディスプレイを取り外して単体利用できるモジュール構造も採用されています。外部カメラとして使えるほか、背面には追加レンズを装着できるマグネットリングも用意されています。過去に失敗例の多いモジュラースマホですが、用途を限定することで実用性を高めようとする姿勢が見て取れます。
耐久性重視の設計 Kevlar素材を採用
折りたたみ端末の弱点とされる耐久性にも、徹底した対策が施されています。折れない側のディスプレイにはサファイアクリスタルを採用し、フレームの角には軍用装備にも使われる衝撃吸収素材TPEを使用しています。
さらに、耐熱性と耐衝撃性を重視した結果、筐体素材にはKevlarを選択。カーボンやガラス繊維も検討されたものの、最終的に耐火性の高いエポキシ樹脂と組み合わせたKevlar構造が採用されたといいます。
配信を支える工夫と現実的な妥協点
世界中から配信したいという要望に対し、プロ用の回線束ね装置を内蔵することは断念されています。その代わり、USB 4対応のUSB-Cドングルを用意し、エンコードや通信処理を外部機器に任せる仕組みを提案しています。端末の薄さを保ちつつ、実用性を確保するための現実的な判断といえそうです。
部品代は約1840ドル 開発費は別次元
試算によると、Snapdragon 8 Eliteを2基、バッテリー3基、チタン製ヒンジ2基などを含む部品代だけで約1838ドルに達します。しかし本当の驚きは開発費で、トライフォールド構造の研究開発に約5000万ドル、モジュラーカメラ関連でさらに500万ドルが必要と見積もられています。
実現は未定でも示した方向性
Nothingはこれまでも、著名クリエイターの理想を形にしたコンセプト端末を発表してきました。今回の三画面トライフォールド端末も市販される可能性は低いものの、耐久性の向上やマルチタスクの新しい形といった要素は、今後のスマートフォン設計に影響を与えるかもしれません。
突飛なアイデアに本気で向き合うNothingの姿勢は、スマートフォンの未来像を考えるうえで興味深い試みといえそうです。

