
メモリ価格の急騰がスマートフォン市場だけでなく、Androidベースの携帯ゲーム機にも影響を及ぼし始めています。携帯型ゲーミングデバイスを手がけるAYNは、最新モデルの出荷に遅れが生じていることを明らかにしました。
RAM価格の急上昇で出荷スケジュールに影響
AYNはIndieGoGoや公式Discordを通じて、24GBのRAMと1TBストレージを搭載するOdin 3 Ultraの出荷を、当初予定より遅らせ、2026年1月中旬になる見通しだと発表しました。その理由として、RAM価格の急激な上昇と一時的なメモリ供給不足を挙げています。
近年、メモリ市場では価格変動が激しく、直近では特にRAMの調達コストが大幅に上昇しており、ハイメモリ構成を売りにする製品ほど影響を受けやすい状況です。
購入者向けに2つの選択肢を用意
今回の遅延を受け、AYNは対象ユーザーに対して2つの対応策を提示しています。1つはOdin 3 Ultraの注文を維持し、出荷開始まで待つ方法。もう1つは、構成を抑えたOdin 3 Maxへ変更し、価格差分の返金を受ける方法です。
Odin 3 Maxは16GB RAMと512GBストレージを搭載し、プロモーション価格は449ドル。Ultraモデルは519ドルで提供されていました。
基本性能は共通、違いはメモリと容量
Odin 3 UltraとMaxはいずれも、冷却ファンを備えたSnapdragon 8 Eliteを搭載し、6インチの120Hz OLEDディスプレイや8,000mAhバッテリー、60W急速充電に対応しています。さらに、microSDカードスロットや3.5mmイヤホンジャック、映像出力機能も共通です。
そのため、Maxを選択した場合に削減されるのはRAM容量と内部ストレージのみとなります。
今後も広がる可能性があるメモリ不足の影響
今回のAYNの発表は、メモリ価格高騰の影響が携帯ゲーム機市場にも及び始めたことを示す一例と言えます。スマートフォン分野では、コスト維持のためにRAM容量を抑えたモデルが増える可能性も指摘されており、こうした動きが他のハードウェアメーカーにも波及するかが注目されます。


