
11月のAnTuTuベンチマークランキングが公開され、ゲーミングスマホ「RedMagic 11 Pro+」が前月に続きトップに立ちました。
同機種はアクティブファンや液冷など大掛かりな冷却機構を備えており、Snapdragon 8 Elite Gen 5の性能を最大限に引き出しているのが特徴です。
冷却の差で明暗、素の実力ではMediaTekが優勢に
今回のランキングで興味深いのは、同じSnapdragon 8 Elite Gen 5を搭載する他モデルでは、MediaTekの最新フラッグシップ「Dimensity 9500」にわずかに及ばない点です。

2位・3位にはそのDimensity 9500を搭載した Oppo Find X9 Pro と Vivo X300 Pro がランクインし、いずれも総合スコアは400万点目前。
一方、Snapdragon 8 Elite Gen 5を搭載した Vivo iQOO 15 は約399万点で4位という結果でした。
このことから、両チップの性能差は極めて僅差で、今回の世代に限れば「Qualcomm一強」とは言いきれない構図が浮かび上がっています。
ミドルレンジではMediaTekがほぼ独占
フラッグシップで拮抗状態が続く一方、ミドルレンジ帯では状況がさらに明確です。

Snapdragon 7+ Gen 3を搭載する Realme GT Neo6 SE が7位に入った以外、トップ10のほぼすべてを Dimensity 8300 / 8400シリーズ 搭載機が占める結果となりました。
ランキングのトップは Oppo Reno15 Pro、続いて Reno15、Realme Neo7 SE が並び、MediaTekの強さが際立つ形です。
なお、AnTuTuはミドルレンジの区分を価格帯で判断しているため、地域や販売価格によって順位は多少前後する可能性があります。
今回の結果から見える潮流
11月のランキングは、SoCの“生の性能”だけでなく、冷却設計がスコアに大きく影響することを改めて示す内容となりました。特にRedMagic 11 Pro+のように、ハードウェア冷却を徹底したモデルが頭一つ飛び抜ける結果となっています。
一方で冷却条件が等しい状況では、MediaTekが対Snapdragonで着実に存在感を強めており、今後のハイエンド市場の競争はさらに面白くなりそうです。
