昨日、クアルコムが例年より早いスケジュールで正式発表をした次世代ハイエンド向けチップセット、Snapdragon 8 Gen2。
製造プロセスは前チップのSnapdragon 8 Gen1からの据え置きの4nmですが、CPU、GPU性能のアップや大幅な電力効率の向上が謳われています。
ただ、これはあくまで「公式スペック上」の話であって、製品版での性能とは異なる可能性も。
というわけで今回は、すでに発見されているSnapdragon 8 Gen2を搭載した機種のベンチマークスコアから、過去のSnapdragon 8(800)シリーズと比べて、どの程度性能が向上が期待できるのか、という点を見てみたいと思います。
Snapdragon 8 Gen2、過去チップからの性能向上はどれくらい?
現在、Geekbench上で確認できるSnapdragon 8 Gen2のベンチマークはGalaxy S23シリーズおよびVivo X90 Pro+のもののみ。
これらスコアの平均値はシングルコアが1480ポイント、マルチコアが4596ポイントとなっています。
これをSnapdragon 8 Gen2の標準的なベンチマーク性能と仮定して、過去のチップセットと比較すると:
シングルコア | 前チップからの変化 | マルチコア | 前チップからの変化 | |
Snapdragon 835 | 386 | 1669 | ||
Snapdragon 845 | 466 | 20.73% | 2012 | 20.55% |
Snapdragon 855 | 744 | 59.66% | 2694 | 33.90% |
Snapdragon 865 | 980 | 31.72% | 3251 | 20.68% |
Snapdragon 888 | 1129 | 15.20% | 3598 | 10.67% |
Snapdragon 8 Gen1 | 1237 | 9.57% | 3591 | -0.19% |
Snapdragon 8 Gen2 | 1480 | 19.64% | 4596 | 27.99% |
Geekbench 5.4での測定記録があるのがSnapdragon 835以降なので、それより前のチップセットとの比較はできませんが、比較対象の中でベンチマーク性能の向上が一番大きかったのはシングルコアでもマルチコアでもSD845→SD855。
また、発熱問題などで評価の低いSD8Gen1ですが、実際にマルチコア・スコアに関してはSD888からほとんど変化がない、というのも驚きです。
一方、SD8Gen1→SD8Gen2のマルチコアの向上率もSD845→SD855に次ぐ約28%となっており、かなりの性能アップであることが分かります。
ちなみにXperiaでいうと、SD845はXperia XZ2/XZ3シリーズに搭載、SD855はXperia 1/5に搭載されていたチップ。
よって、SD8Gen2搭載となるであろう次世代のXperia 1 V/5 Vの前モデル(1 IV/5 IV)の性能向上幅は4世代ぶりの大きさになる、とも言えそうです。
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