スマートフォンの買い替え、乗換え。
サイクルが長くなっていると言われる昨今ですが、それでも2~3年を目途に買い替えを検討する、というユーザーは依然として大多数を占めているという印象を受けます。
また、買い替えの際に同じメーカー・ブランドの新機種を購入するのか、それとも他のメーカー・ブランドへ乗り換えるのか、というのも重要な決断の一つ。
そんな中、スマホユーザーのブランドに対する「ロイヤリティー(忠誠度)」についての興味深い調査結果が掲載されていました。
SellCellという海外の大手スマホオンラインショップが行った調査で、以下の図は各ブランドのユーザーが次回の買い替え時に同じブランドのものを購入するか、他のブランドに乗り換える予定かを尋ねたもの。
iPhone
ご覧のように、iPhoneユーザーのなんと9割以上が次回もiPhoneを購入予定、と回答しており、以下のAndroid勢と比べるとこれはかなりスゴイ「忠誠度」といえます。
また、2年前に行われた調査でのロイヤリティーは90.5%だったとのことなので、わずかながら以前よりもiPhoneユーザーの「忠誠心」はアップしている、ということになります。
Samsung/Galaxy
こちらはロイヤリティー74%とiPhoneと比べるとかなり低く、4人に1人は次回買い替え時にGalaxy以外の機種にする予定、ということに。
ただ、それでもこのロイヤリティーは今回の調査対象のブランドの中では最高です。
一方、それよりも気になるのは2年前に85.7%だったロイヤリティーが今回11.7%も低下している、という点です。
Google/Pixel
Pixelスマートフォンに関してはさらに状況が深刻。
1/3のユーザーが次の買い替え時には他のブランドの機種を選ぶ予定で、その割合も2年前の16%から大幅にアップしています。
確かに昨年のPixelシリーズはフラッグシップのPixel 5ですらミッドレンジとなっており、以前のような「Androidのリファレンス機」という気概を感じられない部分もありました。
また、一部では今年のモデルはPixel 6ではなくPixel 5の派生機種、といった噂もあります。(あくまで噂です)
一方で、昨年のPixel 4aはPixel史上最安値、ということもあり、同モデルは新たなユーザー層を獲得した新しい形のPixelとも言えると思います。
そういった意味で、Pixelのユーザー層自体がシフトしつつある、という傾向もあるのかもしれませんね。
LG
事業撤退の噂もあるLGでは「継続購入予定」と「他ブランドに乗り換え予定」が逆転しており、買い替え時にまたLG製スマホを購入するユーザーはなんと1/3程度。
これは2年前の61.3%から23.9%のダウンとのことです。
Motorola/Moto
モトローラは少なくともミッドレンジのmotoブランドは結構好調、問う印象があったので、ちょっと意外。
ロイヤリティーはLGよりも低く、71%のユーザーが他ブランドへの乗換えを予定しており、そのロイヤリティーの低下は32.1%と、低下率でもトップとなっています。
これはあくまで各ブランド「から」乗り換える予定のユーザーの割合を示しているものであって、現在他のブランドのスマートフォンを使用しており、各ブランド「へ」乗り換える予定のユーザーについては勘案されていません。
よって、必ずしも将来の各ブランドのユーザー数減少を示唆するものとは言い切れません。
ただ、過去2年間で少なくともここで集計されているAndroidブランドのユーザーロイヤリティーはすべて低下傾向にあることは事実。
特に一応iPhoneのライバルと位置付けられているPixelについてはその状況は深刻だと思います。
「信者」というのは言葉が悪いかもしれませんが、ブランド/メーカーが顧客ロイヤルティに支えられている部分は大きいと思います。
そういった意味で、これらのブランドは今回の結果を真剣に受け止める必要がありそうです。
ちなみにこれ、XperiaやAQUOS、arrowsといった国内ブランドではどうなんでしょうか。
Xperia辺りはシェアは小さくともロイヤリティーは高いような気はしますが、AQUOSなどは浮動ユーザーが多そうです(あくまで推測です)
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