
Apple初の折りたたみiPhoneとされるiPhone Duoでは、Samsungがディスプレイの主要な供給元になると報じられています。これを受け、一部ではSamsung製ディスプレイをそのまま採用した製品ではないかとの見方もありますが、Appleの幹部はインタビューで、ディスプレイ開発における同社の設計方針とSamsungをはじめとする製造パートナーとの関係について説明しました。
Appleの要求に合わせてディスプレイを開発
YouTuberのMrMobileことMichael Fisher氏は先月、iPhone Duoの開発に携わったApple幹部3人にインタビューを実施しました。この映像が10月14日に公開され、その中で注目を集めたのが、Samsungによるディスプレイ製造への関与についてのやり取りです。
ハードウェアエンジニアリング担当バイスプレジデントのRich Dinh氏は、ディスプレイやヒンジ、筐体、チップなど、どの部品についても、まずApple社内で製品として実現したい体験や、設計上の課題を明確にすると説明しています。そのうえで、複数の製造パートナーと協力し、必要な部品を開発していくという方針です。
つまり、Samsungなどのメーカーが既存の部品を提供し、Appleがそれを組み合わせるだけというわけではありません。Apple側が求める仕様や設計を出発点として、製造パートナーと共同で部品を形にしていくとしています。
既製品ではなく、Apple独自の要求に合わせて設計
インタビューでは、Samsungがディスプレイを製造する一方、ヒンジはAppleが独自に開発したのかという点も話題になりました。
これに対し、iPhoneのディスプレイ技術を担当するシニアディレクターのJP Guillou氏は、Appleが開発に着手する前から、製造メーカー側に完成済みのディスプレイが用意されているわけではないと説明しました。
Dinh氏も、メーカーがあらかじめ用意した部品の在庫から選ぶような仕組みではなく、Appleの要求を満たす既製部品は存在しないと強調しています。Fisher氏が、部品はすべてApple向けの特注品なのかと確認すると、Guillou氏はその通りだと答えました。
さらにDinh氏は、iPhone Duoの設計は一から進めたものであり、製造パートナーの協力を得ながらも、ナノメートル単位にまでこだわって仕様を調整していると説明しています。
今回の発言は、Samsungがディスプレイの製造を担うことと、そのディスプレイがSamsungの既存製品をそのまま転用したものかどうかは別の話であることを示しています。ただし、Appleは今回のインタビューで、SamsungとAppleがそれぞれ担当する具体的な設計範囲や、両社の技術的な分担を詳細に明らかにしたわけではありません。
インタビューではこのほか、iPhone Duoの耐久性や、折りたたみディスプレイに画面下カメラを採用した理由、Appleの製品設計に対する考え方なども取り上げられています。


