
Androidスマートフォンのハイエンドモデルで、冷却用の小型ファンを内蔵する動きが広がる可能性があります。リーカーのDigital Chat Station氏によると、スマートフォンに冷却ファンを搭載することで、最新のハイエンドSoCに交換する以上の持続性能向上が期待できるといいます。ゲーミングスマホに限らず、一般向けの最上位モデルでも採用が検討されているようです。
チップの世代交代より冷却強化が効果的か
近年、スマートフォン向けSoCの性能は急速に向上しています。一方、処理性能が高くなるほど発熱への対策も重要になっており、ハイエンドモデルではベイパーチャンバーなどを使った冷却機構が一般的になっています。
しかし、冷却性能が十分でなければ、ゲームなどの負荷が高い処理を続けた際にSoCの温度が上昇し、発熱を抑えるために動作性能を引き下げるサーマルスロットリングが発生します。その結果、ベンチマークテストなどで示されるピーク性能を長時間維持できない場合があります。
Digital Chat Station氏がWeiboに投稿した情報によると、冷却ファンを搭載したSnapdragon 8 Elite Gen 5搭載スマートフォンは、ファンを搭載せずベイパーチャンバーで冷却するSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6搭載機を、ゲームの持続性能で上回る可能性があるとのことです。

つまり、SoCを新世代に置き換えるだけでなく、冷却機構を強化することが、実際のゲーム性能を高めるうえで大きな効果をもたらすというわけです。
さらに、最新のSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6に冷却ファンを組み合わせれば、従来のベイパーチャンバーを中心とした冷却方式を採用する端末よりも、さらに高い持続性能が得られるとされています。
Pro MaxやUltraモデルへの搭載を検討するメーカーも
同氏の投稿では、別のAndroidスマートフォンメーカーも、最上位モデルへの冷却ファン搭載を検討しているとされています。候補として挙げられているのは、Pro MaxやUltraといった上位グレードです。
ただし、現時点では具体的なメーカー名や製品名は明らかになっていません。情報の詳細も限られているため、実際に製品化が決まったと判断するのは時期尚早です。
スマートフォン内部にファンを搭載する設計は、これまで主にREDMAGICシリーズのようなゲーミングスマートフォンで採用されてきました。今後、一般向けのハイエンドモデルにも広がれば、冷却ファンがスマートフォンの性能を引き出すための新たな選択肢になる可能性があります。
防水性能や内部スペースが課題に
もっとも、冷却ファンの採用には課題もあります。ファンを回すためのスペースを確保しなければならないほか、内部へのホコリの侵入を防ぐ設計や、防水性能を維持するための工夫も必要になります。
特に、薄型化や防水性能を重視する一般向けスマートフォンでは、冷却ファンの搭載によって設計上の制約が増える可能性があります。冷却性能を優先するあまり、日常的な使いやすさが損なわれてしまえば、本末転倒です。
一方、ハイエンドSoCの価格が上昇するなか、チップの性能を十分に引き出せない状態が続くのはメーカーにとっても課題です。複数世代の製品で冷却機構を共通化できれば、開発コストを抑えながら持続性能を高められる可能性もあります。
スマートフォンの性能競争は、単純なSoCの世代交代から、発熱を抑えて高い性能をどれだけ長く維持できるかという段階に移りつつあります。冷却ファンがゲーミングモデル以外のハイエンドスマートフォンにも採用されるのか、今後の動向が注目されます。

