
PS5向けの大型タイトル「Marvel’s Wolverine」がスペインで発売され、ディスク版がデジタル版を大きく上回る販売結果となりました。発売週の総販売本数5万1315本に対し、ディスク版は3万6370本を記録しており、全体の約71%を占めています。
ソニーはすでに、2028年1月以降に発売するPS向け新作についてディスク版の生産を終了すると発表しています。今回の結果は、その方針を発表したソニーにとって、PSにおけるディスク需要を改めて考える材料の一つになるかもしれません。
「Marvel’s Wolverine」はディスク版が約7割
スペインのゲーム関連団体AEVIが公開した2026年9月14日から20日までの販売データによると、「Marvel’s Wolverine」は同国の週間ランキングで1位となりました。
ディスク版とデジタル版を合わせた販売本数は5万1315本。そのうちディスク版が3万6370本となっており、全体の約71%を占めています。
一方、デジタル版は約1万5000本とみられ、今回の集計ではディスク版がデジタル版の2倍以上売れた計算になります。
「Marvel’s Wolverine」はInsomniac Gamesが開発し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが発売したPS5専用タイトルです。2026年9月15日に発売されたばかりの大型新作ということもあり、PSユーザーの購入動向を考えるうえで興味深いデータとなっています。
もちろん、今回の数字はスペインにおける発売直後の一作品の販売データです。すべてのPS5タイトルに同じ傾向が当てはまるとは限らず、世界全体の販売比率を示すものでもありません。
それでも、発売直後の大型PS5タイトルでディスク版が販売全体の7割以上を占めたことは、現在もディスクでゲームを購入したいユーザーが相当数存在することを示す一例といえます。
ソニーはすでにPSのディスク廃止を決定
ソニーは2026年7月、2028年1月以降にPS向けに発売される新作ゲームについて、ディスク版の生産を終了すると発表しました。以降の新作は、PlayStation Storeだけでなく小売店で販売される場合もデジタル形式での提供となります。
すでに発売済みのタイトルや、2028年1月より前にディスク版として発売されるゲームは今回の変更の対象外です。
ソニーは、消費者の購買動向やエンターテインメント業界全体がディスクからデジタルへ移行していることを理由として挙げています。7月の決算説明会でも、同社CFOのLin Tao氏が、さまざまな要素を検討したうえで慎重に決定したとの趣旨を説明しています。
つまり、ディスク廃止そのものは今回新たに発表された話ではありません。今回注目されるのは、その方針が示された後に発売されたPS5の大型タイトルで、ディスク版がこれほど大きな販売比率を記録したことです。
ソニーにとって方針を再考する材料になる可能性も
「Marvel’s Wolverine」のスペインでの結果だけを見て、ソニーがPSのディスク廃止方針を変更すると考えるのは早計です。ソニーが説明しているように、ゲーム市場全体ではデジタル化が進んでおり、今回のデータもあくまでスペインの一市場における一作品の結果にすぎません。
ただ、今回の数字はソニー自身が展開するPS5向け大型タイトルで記録されたものです。しかも、ディスク版が総販売本数の約71%を占め、デジタル版を大きく上回りました。
PS向け新作のディスク生産終了という方針をすでに決定しているソニーにとって、こうした販売データは今後の市場動向を検証するうえで無視できない材料になる可能性があります。
今後、スペイン以外の市場でも同様にディスク版の強さを示すデータが出てくれば、PSにおけるディスク需要がソニーの想定より根強いことを示す材料が増えることになります。
ディスク廃止の発表から時間が経った現在、今回の「Marvel’s Wolverine」の販売結果そのものが方針変更のニュースというわけではありません。しかし、PS5の大型新作でディスク版が7割を超えたという事実は、ソニーが2028年以降のPSにおけるディスクの扱いを改めて考えるきっかけの一つにはなりそうです。


