
ソニーが2028年以降、PlayStation向け新作タイトルのパッケージ版を廃止する方針を示したことで、ゲームの所有方法をめぐる議論が広がっています。そんな中、新たな懸念として注目されているのがPlayStationアカウントの地域変更に関する制限です。
現在の仕様では、海外への移住などで居住国が変わった場合、同じアカウントの地域を変更できず、過去に購入したデジタルゲームへのアクセスや新規購入に不便が生じる可能性があります。
国を移動するとゲーム購入環境が失われる可能性
PlayStation Network(PSN)では、アカウント作成時に居住国や住所の登録が必要になります。しかし、一度設定した地域は後から変更できない仕様となっています。
例えば、日本から海外へ移住した場合、新しい国のストアでゲームを購入するには別のPSNアカウントを作成する必要があります。しかし、以前のアカウントで購入したゲームやダウンロードコンテンツ、トロフィーなどを新しいアカウントへ移行することはできません。
海外ユーザーからは、長年利用してきたアカウントを維持するため、以前の国のギフトカードを購入してチャージするなどの回避策を取っているという声もあります。
また、PS5には「コンソール共有とオフラインプレイ」機能があるため、旧アカウントで購入したゲームを同じ本体で遊ぶことは可能ですが、根本的な解決策にはなっていません。
デジタル化で高まる所有権への不安
今回の問題は、単なるアカウント仕様の不便さだけではありません。ソニーが今後、物理ディスクからデジタル販売へ完全移行する場合、ユーザーが購入したゲームをどのように維持できるのかという「所有権」の問題につながります。
パッケージ版であれば、購入したディスクを持っている限り、アカウントや地域設定に左右されずゲームを利用できます。また、中古販売や友人との貸し借りも可能です。
一方、デジタル版では販売終了やアカウント制限の影響を受ける可能性があり、購入したゲームが将来的に利用できなくなるリスクを指摘する声もあります。
さらに、欧州地域のPlayStation利用規約では、一定期間利用されていないアカウントを削除できる可能性がある点も、一部ユーザーの不安材料になっています。
XboxやSteamとは異なる対応も批判の対象に
こうした地域制限については、他社サービスと比較する声もあります。
例えば、Valve CorporationのSteamや、MicrosoftのXboxでは、一定の条件はあるものの、PlayStationほど厳しい地域制限は設けられていません。
特にNintendoは、ユーザーが本体設定から地域を変更できる仕組みを採用しており、PlayStationの仕様に不満を持つユーザーから比較対象として挙げられています。
ソニーが物理メディアからの移行を進めるのであれば、アカウント地域変更や購入済みコンテンツの扱いについて、より柔軟な対応を求める声は今後さらに強まる可能性があります。
PS5から次世代機へ向けてデジタル中心の環境へ移行する流れは避けられないとみられますが、ユーザーが安心してゲームを購入し続けられる仕組み作りが重要になりそうです。

