
ソニーが2028年1月以降、PlayStation向け新作ゲームのディスク生産を終了し、デジタル販売のみへ移行すると発表したことで、多くのPlayStationユーザーから反発の声が上がっています。
一部のPS5ユーザーは抗議の意思を示すために「PlayStation Plus」の解約を進めており、SNS上では解約画面のスクリーンショットを共有する動きも広がっています。しかし、ゲーム業界アナリストによると、この動きがソニーの決定を撤回させるほどの影響を与える可能性は低いようです。
PS Plus解約運動が広がるも影響は限定的か
今回の反発のきっかけとなったのは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが7月1日に発表した、2028年1月から新作PlayStationタイトルの物理ディスク生産を終了する方針です。

発表後、海外では撤回を求める署名活動も始まり、すでに20万人以上の賛同を集めています。また、X(旧Twitter)やRedditなどでは、PS Plusのサブスクリプションを解約したユーザーが相次いで報告しています。
しかし、日本のゲーム市場に詳しい調査会社カンタンゲームズのCEOであるセルカン・トト氏は、海外メディアIGNの取材に対し、この抗議活動だけでソニーが方針を変更する可能性は低いとの見方を示しました。
トト氏は、仮に50万人が抗議目的でPS Plusを解約したとしても、ソニーにとっては大きな打撃にはならないと説明しています。
現在、PlayStationのアクティブユーザーは1億2000万人以上、PS Plus加入者は約5000万人規模とされており、50万人の解約は全体の約1%に相当します。そのため、経営判断を覆すほどの影響にはならないという分析です。
デジタル化はソニーに大きなメリット
ソニーは今回のディスク廃止について、ゲーム市場全体でデジタル販売への移行が進んでいることを理由に挙げています。
実際、近年はダウンロード版ゲームの利用者が増加しており、メーカー側にとってもディスク製造や物流コストを削減できるメリットがあります。
さらに、自社のPlayStation Storeを通じた販売では、ソニーがより大きな収益を確保できます。
例えば、ソニーのファーストパーティー作品をパッケージ版として販売する場合、販売店への取り分やディスク製造費などが発生します。一方、PlayStation Storeでのデジタル販売では、売上の大部分をソニー側で確保できます。
また、サードパーティー作品についても、パッケージ販売ではライセンス収入に限られる一方、デジタル販売ではストア手数料として一定割合を得られるため、プラットフォーム運営側にとって魅力的なビジネスモデルとなっています。
ソニーは何らかの対応を行う可能性も
一方で、今回の反発をソニーが完全に無視するとは限らないという見方もあります。
ゲーム市場調査会社Niko Partnersのリサーチ部門責任者ダニエル・アーマド氏は、ソニーが何らかの説明や対応を行う可能性はあるものの、全面的な方針撤回については可能性が低いとの考えを示しています。
ユーザーが懸念しているのは、単にディスクが購入できなくなることだけではありません。デジタル版ゲームは所有権ではなく利用ライセンスとして扱われるため、将来的なサービス終了や購入済みタイトルへのアクセスについて不安を感じるユーザーも少なくありません。
ソニーにとってデジタル化は収益面で大きなメリットがありますが、一方で長年PlayStationを支えてきた物理メディアユーザーとの関係をどう維持していくかが、今後の大きな課題になりそうです。
