エントリースマホは最大30%値上げへ、フラッグシップは影響限定?2026年スマホ価格高騰の本当の理由

最近、スマートフォンの価格が明らかに上がってきたと感じている方も多いのではないでしょうか。かつては80万円台が当たり前だったフラッグシップモデルは、今や標準構成でも100万円を超えるケースが珍しくありません。一見するとインフレの影響に思えますが、実はその裏で、より根深い構造変化が進んでいます。

半導体、とくにメモリを巡る静かな争奪戦

スマートフォン価格を押し上げている最大の要因は、世界的な半導体供給の再編です。とくに深刻なのが、DRAMなどのメモリを巡る争奪戦です。生成AIの急拡大により、膨大なメモリを必要とするデータセンター向け需要が爆発的に増加しています。

これまでスマートフォン向けに使われていたシリコンウエハーは、現在ではAI向けの高付加価値メモリへと優先的に回される状況です。その結果、スマートフォン向け部品の供給は後回しにされ、コスト上昇が避けられなくなっています。

半導体工場は簡単に増産できない現実

半導体は、需要が増えたからといって短期間で増産できるものではありません。1枚のウエハーが完成するまでには数百から千以上の工程があり、製造には数か月単位の時間がかかります。さらに、新しい工場を建設する場合は、完成までに3〜5年、投資額も兆円規模に達します。

こうした背景から、供給不足は一時的な問題ではなく、少なくとも数年単位で続く構造的な課題と見られています。

エントリーモデルほど直撃する価格上昇

この影響を最も強く受けるのが、低価格帯からエントリークラスのスマートフォンです。調査会社の予測では、部品コストの上昇により、エントリースマホの製造原価は最大で20〜30%上昇するとされています。

カテゴリー想定される値上がり幅主な要因
エントリースマホ部品コスト20〜30%増DRAM・NAND価格高騰
フラッグシップスマホ実売価格6.9〜12%上昇AI向けSoC・メモリ確保
ノートPC・PC4〜8%上昇DDR5メモリ価格上昇
エンタープライズSSD50〜100%上昇NAND供給不足
自作・ゲーミングPC最大15%コスト増高性能RAM価格高騰

価格を抑えるために、メモリ容量を減らしたり、部材のグレードを下げたりする動きも出始めています。数年前には8GB RAMが当たり前になりつつあった価格帯でも、再び4GB構成に戻る可能性が指摘されています。

フラッグシップは値上げ幅が比較的限定的

一方で、最上位のフラッグシップモデルは事情がやや異なります。もともと利益率が高いため、部品価格の上昇分をある程度吸収できる余地があります。そのため、価格改定が行われたとしても、上昇幅は7〜12%程度にとどまる見通しです。

ただし、メモリ容量の据え置きや、次世代規格への移行見送りなど、目に見えにくい形でのコスト調整が行われる可能性は否定できません。

中価格帯が消えつつある市場構造

これまでコストと性能のバランスが良いとされてきた中価格帯スマートフォンは、今後最も厳しい立場に置かれそうです。機能を削ればエントリー機と差別化できず、価格を上げればフラッグシップに近づいてしまいます。

結果として、安価なモデルか高価なプレミアムモデルかの二極化が進み、かつての「ちょうど良い価格帯」が姿を消す可能性も指摘されています。

価格は下がらない時代へ

半導体の供給再編や製造拠点の分散といった動きは、価格の安定よりも安全保障や収益性を優先する流れです。そのため、一度上がったスマートフォン価格が元に戻る可能性は高くありません。

今後スマートフォンの買い替えを検討している場合、最新モデルを待つよりも、現行世代を選ぶ方が結果的に割安になるケースも増えていきそうです。スマートフォンが再び「高価な製品」として位置づけられる時代に、私たちは入りつつあるのかもしれません。

ソース:Android Headline

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