3インチ台の究極シンプルスマホ「Light Phone III」、日本発売が確実に

米国のスタートアップ The Light Phone Inc. が開発する「Light Phone III」が、米国のFCC(連邦通信委員会)の認証を通過しました。さらに、その資料の中に日本の総務省の技適マークが確認され、日本での発売がほぼ確実となりました。

この「Light Phone III」は、従来のミニマリストフォンのコンセプトを受け継ぎながらも、ユーザーの声を反映し、いくつかの重要なアップグレードを施したモデルです。


「Light Phone III」は、シンプルフォンの新たな形へ

「Light Phone 2」が発売されてから5年、共同創業者のカイウェイ・タン氏によると、その販売は今なお好調だといいます。そもそも、Light Phoneシリーズは「必要最低限の機能を備え、長く使えること」をコンセプトにした携帯電話でした。電話、SMSのみの機能に特化した「Light Phone 2」は、多くのユーザーに支持され、スマホ疲れを感じる人々にとっての「デジタルデトックス」ツールとして一定の地位を築いています。

そして、新たに発表された「Light Phone III」は、より多くの人が使いやすいデバイスを目指し、いくつかの改良が加えられました。


E InkからOLEDへ、ディスプレイの進化

最大の変化は、ディスプレイの変更です。従来のE Inkディスプレイは、バッテリーの持ちが良い一方で、リフレッシュレートの低さがユーザーの不満点のひとつでした。「Light Phone III」では、3.92インチのモノクロOLEDディスプレイ(1080×1240ピクセル) を採用し、よりスムーズな操作感を実現。さらに、左側面に搭載されたスクロールホイールで明るさを調整できるため、突然画面がまぶしく光ることもありません。


カメラ搭載、でも「撮るだけ」

もうひとつの大きな変更点は、カメラの搭載です。「Light Phone 2」ではカメラ機能を完全に排除していましたが、「Light Phone III」ではリア50MP、フロント8MPのシンプルなカメラを搭載しました。ただし、一般的なスマートフォンのように編集やSNSへの投稿を前提としたものではなく、QRコードのスキャンやビデオ通話、シンプルな記録用といった用途に限定されています。シャッターボタンも備え、あくまでも「その瞬間を記録する」ためのツールとして設計されています。


シンプルながらも「未来を見据えた」機能追加

「Light Phone III」はミニマルなコンセプトを維持しつつも、将来性を考えた機能強化も行われています。

  • NFC搭載:将来的にモバイル決済機能を追加予定
  • USB-Cポート採用:汎用性の向上
  • 交換可能なバッテリー:長く使い続けられる設計
  • 指紋認証センサー:セキュリティ強化
  • Snapdragon 4 Gen 2搭載、6GB RAM / 128GBストレージ:シンプルながら快適な動作

また、端末サイズは従来のクレジットカードサイズから「BlackBerryに近い」サイズへとやや大型化。アルミボディと耐久性の高いボタンを採用し、「長く使える」ことを前提にしたデザインが施されています。


価格と発売時期、日本市場での展開は?

「Light Phone III」は現在、399ドルで予約受付中ですが、最終価格は未定。販売数次第では、コストダウンによって価格が変動する可能性もあります。正式な販売価格としては799ドルが予定されていますが、これは一般的なスマートフォンと比べると決して安くはない価格帯です。

また、FCCの認証資料によって日本の「技適」マークが確認されたことで、日本での発売も確実視されています。これまで「Light Phone 2」は日本での公式販売はありませんでしたが、「Light Phone III」では正式に展開される可能性が高く、日本のミニマルフォン市場にも新たな選択肢が生まれることになりそうです。


「スマホの代替」としての可能性

近年、デジタルデトックスの重要性が高まりつつある中で、「Light Phone III」は単なるサブ端末ではなく、「スマホの代替」としての可能性を模索しています。

共同創業者のタン氏は、「Light Phone III」がスマートフォンの代わりになり得るかどうかを試行錯誤していると語ります。Spotify APIとの連携、UberやLyftの利用、音声メモの送信といった新機能の追加を検討する一方で、「SNSやエンドレスなフィードの誘惑から解放する」というLight Phoneの理念は変わりません。

また、AI技術の導入も視野に入れつつ、その境界線をどこに引くかを慎重に検討しているとのこと。ユーザーが求める機能を提供しつつ、「情報の洪水」に巻き込まれないデバイスとしてのバランスを模索し続けています。


「より使いやすく、それでもシンプルに」──Light Phone IIIが目指すもの

従来の「Light Phone 2」と比べると、「Light Phone III」は最も多機能なLight Phone です。しかし、それは決して「普通のスマホに近づく」という意味ではありません。あくまでも、現代のテクノロジーの恩恵を受けつつ、「スマホの誘惑に振り回されない」デバイスとして設計されています。

タン氏はこう語ります。

「私はレトロな携帯を作りたいわけじゃない。最新のテクノロジーを活かしながら、無駄を排除したデバイスを作りたいんだ。」

スマホ依存に悩む人々にとって、「Light Phone III」は「普通のスマホ」とは異なる、新しい選択肢を提示する存在になりそうです。

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