
ソニーが2028年にパッケージ版ゲームの製造を終了するとの情報を受け、8月末に広がった抗議運動について、興味深い調査結果が明らかになりました。ソーシャルメディア分析企業Cyabraによると、運動に関連してPlayStationの公式アカウントに寄せられた返信の約半数が、偽アカウントなどによる不自然な投稿だったといいます。
約1,000件の偽アカウントを確認
今回の抗議運動では、ソニーの方針に反対するユーザーが、PS5をインターネットから切断してオフラインで利用するよう呼びかけました。オンライン上の月間アクティブユーザー数や、PlayStationエコシステム内での消費を減らすことで、ソニーに方針の見直しを促す狙いがあったとみられます。
Cyabraが9月に公表した調査によると、運動に関連する投稿を分析した結果、議論を不自然に拡大させていたとみられる偽アカウントが約1,000件確認されました。これらのアカウントは、自動化された投稿をPlayStationの公式アカウントに大量に送り込んでいたとされています。
偽アカウントによる投稿は合計100万回以上の閲覧を獲得し、10万回以上共有されたとのことです。また、「#NoDiskNoBuy」のように、ハッシュタグの表記を変えた投稿については、その拡散の約90%がボットによるものだったと分析されています。
抗議の声すべてが偽物というわけではない
ただし、今回の調査は、パッケージ版ゲームの取り扱いをめぐる反発そのものが偽物だったと示すものではありません。
Cyabraによると、特に高い反応を集めた投稿の多くは、実際のユーザーによるものでした。関連する主要な投稿の28%は、フォロワー数が5,000人未満のアカウントから発信されていたといいます。大規模なフォロワー基盤を持たないユーザーの投稿でも、プレイヤーの不満を反映した内容が共感を呼び、広く拡散されたようです。
つまり、抗議運動には実際にソニーの方針に不満を抱くユーザーが参加していた一方で、偽アカウントやボットによる拡散が、運動の規模や勢いを実態以上に大きく見せていた可能性があります。
抗議運動の影響は限定的だった可能性
今回の調査結果は、8月末に行われたオフライン化の呼びかけが、どの程度の影響を与えたのかを考えるうえでも注目されます。米国からのデータでは、ソニーのユーザーエンゲージメント指標に目立った影響は確認されなかったとされています。ただし、PlayStationの公式な決算情報などによる検証はまだ残されており、運動が業績に与えた影響については断定できません。
ここ数カ月のPlayStation公式アカウントの投稿を見ると、返信欄ではパッケージ版ゲームを求める声が引き続き見られます。一方で、抗議の勢いは次第に弱まり、ボットとみられるアカウントへの反応も減少しているようです。
ソニーの方針に対して不満を持つユーザーが存在することと、SNS上で見える抗議の規模が実際の支持者数を正確に反映しているかどうかは、別の問題です。今回の調査は、ゲーム業界をめぐる議論でも、偽アカウントや自動投稿が世論の見え方を大きく左右する可能性を示しています。


