ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドがPS5で4K動作、エミュレーターの進化で実現

Nintendo SwitchやWii U向けに発売された「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」が、改造したPlayStation 5上で4K解像度に対応して動作するようになりました。PS5向けに開発されているエミュレーターの進化によるもので、現時点では30fps動作ながら、任天堂の代表作がソニーのゲーム機で動くという興味深い状況になっています。

PS5向けエミュレーターでWii U版を4K化

今回の動作を可能にしたのは、PS5向けの「PS5CEMU-HAR」というエミュレーターです。改造済みのPS5上で動作し、Wii U用エミュレーターのCemuとNintendo 3DS用エミュレーターのAzaharをまとめて利用できる構成になっています。

PS5CEMU-HARではVulkanを利用して描画する仕組みが採用されており、DualSenseによる操作にも対応しています。

特にCemuについては、Wii U向けゲームの大部分を動作させられるとされており、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」もその一つです。x64リコンパイラーによって3840×2160ピクセルでの描画に対応し、アップスケーリング用のフィルターや120Hz出力も利用できます。

ただし、「ブレス オブ ザ ワイルド」の現時点での動作速度は30fpsにとどまっています。

グラフィックパックやDLCにも対応

Wii U版ゲームを現代の高解像度ディスプレイで表示する場合、元々の低解像度テクスチャがボトルネックになりやすいという問題があります。

PS5CEMU-HARではCemu向けのコミュニティ製グラフィックパックも利用できるため、解像度を4Kまで引き上げた際にも、オリジナル版より高品質な表示を目指せます。ゲームのアップデートやDLCのインストールにも対応しています。

「ブレス オブ ザ ワイルド」はPC版Cemuでも長年にわたって動作しており、さまざまなグラフィックMODが開発されてきました。そのため、4K表示そのものが初めてというわけではありません。

それでも、PS5というコンソール上でWii U版をエミュレートし、4K解像度で動作させている点は、エミュレーション技術の進歩を示す事例といえます。

任天堂による対応にも注目

一方で、今回のプロジェクトが長期間存続できるかどうかは不透明です。

任天堂はこれまでもゲーム機向けエミュレーターに対して厳しい姿勢を示しており、Nintendo Switch向けのYuzuやRyujinxについても法的措置などを経てプロジェクトが終了しています。

Wii U自体はすでに現行ハードではありませんが、「ブレス オブ ザ ワイルド」はNintendo Switchでも発売されており、Nintendo Switch 2でもプレイできます。そのため、任天堂の主要シリーズの作品が任天堂製ではないゲーム機上で動作する今回の事例が、同社からどのように受け止められるのかは気になるところです。

もっとも、PS5CEMU-HARを利用するには改造済みのPS5が必要であり、一般的なPS5でそのまま利用できるものではありません。この点が任天堂による対応に影響する可能性もあります。

PS5向けエミュレーション環境はここ数週間で急速に進化しており、任天堂タイトルに限らず、他機種向けゲームをPS5上で動かす試みも広がっています。今回の4K動作は、その進歩を象徴する一例となりそうです。

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