
メモリ大手のMicronが、人型ロボット1台あたり約200GBのDRAMと数TB規模のNANDフラッシュが必要になるとの見通しを示しました。AIを搭載した人型ロボットの普及が進めば、スマートフォンやPC、データセンターとは異なる新たな巨大メモリ需要が生まれる可能性があります。
人型ロボットが大量のメモリを必要とする理由
Micronは2026年度第4四半期の決算発表で、今後のメモリ需要を左右する新たな分野として、人型ロボットを含む「フィジカルAI」に言及しました。
同社の見積もりでは、人型ロボット1台につき約200GBのDRAMと、数TBのNANDストレージが必要になるとされています。
これは現在の一般的なスマートフォンやPCと比較しても非常に大きな容量です。人型ロボットでは、生成AIや認識処理だけでなく、カメラや各種センサーから取得した大量のデータをリアルタイムで処理する必要があるため、今後さらに大容量のメモリが求められる可能性があります。
Micronは、こうしたフィジカルAIが2030年までにメモリおよびストレージ需要を大きく押し上げる要因になるとみています。
120万台ならDRAM需要は240PBに
人型ロボットの普及規模については複数の予測が存在します。
2030年の年間出荷台数については25万台から120万台程度まで幅がありますが、仮に上限となる120万台が出荷され、Micronの想定どおり1台あたり200GBのDRAMを搭載すると、単純計算で約2億4,000万GB、約240PBのDRAMが必要になります。
もちろん、これは将来の出荷台数と1台あたりのメモリ容量を単純に掛け合わせた試算であり、実際の需要を保証するものではありません。それでも、人型ロボットが本格的に普及した場合、メモリ市場にとって無視できない規模になる可能性があります。
さらに、人型ロボット1台あたり数TBのNANDも必要になるとMicronは予測しています。ロボットの普及台数が増えれば、DRAMだけでなくストレージ市場にも大きな需要が発生することになります。
AIブームの次を見据えるMicron
現在のメモリ市場では、AIデータセンター向けのHBMなどが大きな需要を生み出しています。一方、Micronは2027年と2028年のメモリおよびストレージ市場について、2026年よりも需給が厳しくなると予測しています。
同社は2027年度上期だけで250億ドルの設備投資を計画しており、下期にはさらに大きな投資を行う予定です。特にクリーンルームの増設に力を入れ、2028年後半以降の生産能力拡大につなげるとしています。
AI向け半導体の需要が続くなか、次の大きな需要源として人型ロボットが成長すれば、メモリ市場ではAIデータセンターとロボットの双方から需要が発生することになります。
人型ロボットがどこまで普及するかは現時点では不透明ですが、1台あたり200GB超というMicronの想定が示すように、フィジカルAIの普及はロボットの性能だけでなく、将来のメモリ市場そのものにも大きな影響を与える可能性があります。

