中国が半導体設計のコピー対策を強化、独自開発を証明できなければ保護対象外に

中国が国内で開発された半導体の回路配置設計を巡るルールを改定し、他社製品の模倣によって法的保護を受けようとする動きを抑える方向に規制を強化しました。新たな規則では、半導体設計の独自性や開発経緯をより厳しく確認する仕組みが導入されます。一方で、中国企業が設計した半導体を台湾や韓国のファウンドリで製造することについては、現時点で禁止されていません。

半導体設計の独自性を厳格にチェック

今回の改定対象となるのは、シリコン上でトランジスタなどの回路要素をどのように配置するかを定めたICレイアウト設計です。半導体そのものを製造する企業だけでなく、設計を専門とする企業にとっても重要な知的財産となります。

これまでよりも厳格な審査が行われるようになり、法的な保護を受けるためには、その設計が独自に開発されたものであることを示す必要があります。申請時には設計のオリジナリティーについて正式に表明するとともに、どの部分が自社による創作なのかを明確にすることも求められます。

こうした仕組みによって、他社の設計をベースにしたものや、独自の技術的貢献が乏しい設計が、国内で知的財産として登録されるケースを減らす狙いがあるとみられます。

また、当局にとっては、ある半導体が本当に中国国内で開発されたものなのか、それとも海外などから入手した設計を中国で開発したように見せているのかを判断しやすくなるメリットもあります。

侵害時の賠償や懲罰的損害賠償も強化

新制度では、設計を無断で利用された場合の権利者救済についても強化されます。

10月中旬以降の侵害紛争では、裁判所が損害賠償額を判断する際、権利者側が被った損失だけでなく、侵害した側が得た利益を基準にできるようになります。さらに、悪質なケースでは懲罰的損害賠償が認められる可能性もあります。

このほか、ICレイアウト設計のライセンス供与や権利譲渡、担保としての利用に関する手続きも明確化されます。保護対象となった設計を生み出した従業員に対して、企業が適切な報酬を支払うことも求められるようになります。

中国政府が半導体設計の知的財産をより重視し、技術力のある企業が開発した成果を他社が容易に模倣することを防ごうとしていることがうかがえます。

TSMCやSamsung Foundryでの製造は現時点で可能

一方で、今回の規制強化によって中国企業が設計した半導体を海外で製造できなくなるわけではありません。

中国では、国内で開発された戦略的に重要な技術について、海外企業への売却や国外への移転、海外での製造を制限する案も検討されていると報じられています。もしこうした厳格な措置が正式に導入されれば、中国の半導体設計企業は台湾のTSMCや韓国のSamsung Foundryを利用できなくなり、SMIC(中芯国際)や華虹半導体など国内のファウンドリで製造する必要が生じます。

ただし、現時点ではこのような海外生産の制限は正式に導入されていません。中国企業が設計した半導体については、引き続きTSMCやSamsung Foundryといった海外の先端ファウンドリを利用できる状況です。

今回の規制改定は、中国が国内半導体産業によって生み出された設計技術を、これまで以上に重要な戦略的資産として扱い始めていることを示す動きともいえます。今後、海外での製造まで制限する政策へと踏み込むのかどうかが、中国の半導体産業にとって大きな焦点になりそうです。

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